歯が痛くてたまらない、早くこの痛みを何とかしたいけど救急車を呼ぶのはダメだろうか、と疑問に思ったことがある人もいるでしょう。たかが虫歯で救急車はないだろうと言う人もいれば、痛くて痛くて冷や汗を流しているくらいなら救急車を呼ぶのも有りなのでは、と思う人もいるかもしれません。しかし、実際に救急車を呼んだとしたら、どのような展開になると思いますか。おそらくあなたの家の近くの救急病院に、歯科はないでしょう。
大学病院や大きな病院で救急車を受け付けている病院なら、歯科口腔外科という診療科があります。しかし、歯科口腔外科に虫歯が原因で救急車で運ばれるケースというのは、ほとんどありません。歯科口腔外科に救急車で運ばれるケースは、交通事故やスポーツ中に激突したなどで顔面や口の中にケガをした場合、あごの骨が折れていると思われる場合などです。もしも、家の近くの大学病院や大規模な病院の口腔外科に搬送されたとしても、応急処置的なことをやってくれればまだ良い方です。
多くの場合は、近所の歯医者さんを逆紹介されるでしょう。ただし、左の歯が急に酷く痛む場合は、狭心症などの心臓病の可能性も否定できません。稀ですが、関連痛と言って脳が勘違いをして、狭心症でも胸ではなく歯やあごが痛くなることもあります。左の歯が酷く痛む場合に、狭心症を疑って救急車を呼ぶというのは、有りだと言えます。
歯医者さんで治療を受けた際に、ちょっと高めの歯磨き剤や電動歯ブラシの購入を勧められたことはありませんか。電動歯ブラシなどは、通販や家電量販店で買った方が安く手に入りそうなのになあ、と思いつつも購入してしまったと言う人もおられるでしょう。また、後日家電量販店で同じものが置いてあって、値段を見比べてショックを受けた、と言う人もいるのではないでしょうか。現在歯科はコンビニの約1.5倍もあります。
東京では1日に1件くらいのペースで廃業に追い込まれていると言われています。経営が苦しくなった際に、売り上げを上げるには、このようなグッズの販売を行う歯科もあります。電動歯ブラシなどを勧められた場合は、すぐには答えを出さないようにしましょう。「1万円以上のものを買う時は、娘に相談してからにすることになっているので、次回までお返事は待ってください」などと、考える期間をもらいましょう。
あまりにしつこくグッズを勧めてくる場合は、もうその歯科には行かないことにしてキッパリと断る勇気を持つことも大切です。このような歯科クリニックや歯科医院は、歯磨き剤や電動歯ブラシでも売って少しでも利益を上げないと、廃業になる可能性もあるのかも、と疑ってみるのも良いかもしれません。受付終了時間に少し様子を見に行きましょう。待合には誰もいないかもしれません。
歯磨き剤(歯磨き粉)は必要なのでしょうか。テレビのコマーシャルでは、歯ブラシの端から端まで2センチくらい歯磨き剤をチューブから出して歯を磨いていますが、あんなにたくさんの歯磨き剤が必要なのかなあ、と疑問に思った人も多いでしょう。歯医者さんの多くは、歯磨き剤は5ミリほどで充分だし別に使わなくてもかまわない、と言っています。歯磨き剤をたくさん使うと、ミントの香や味で口の中がさっぱりします。
そのため、まだ十分に磨けていないのに磨いた気分になってしまうというデメリットがあります。また、口の中が泡立つと、まだ磨き残しがたくさんあるのに、泡立っているのだから磨けただろうという気分になってしまいます。それよりは、歯磨き剤を使わないで丁寧に磨く方が虫歯の予防や歯周病の予防になると考えられています。また、口内炎がある時は歯磨き剤が刺激になることもあります。
しかし、子どもが歯磨きを嫌がる場合は、オレンジ味やイチゴ味など、子どものすきなフレーバーの歯磨き剤を使うのも解決方法の1つになります。今は、チョコレートや抹茶、パイナップルなどのフレーバーもあります。歯磨き剤はメリットとデメリットを考えて、上手に使ってください。テレビコマーシャルのように、歯ブラシの端から端まで使う必要はありません。
歯医者さんで虫歯の治療を受けたら、安い被せ物よりもオールセラミックが良いよと勧められたけど、そんな高い治療費は払えないから困っている、という声を時々聞きます。やはりオールセラミックがベターなのでしょうか。プラスチックの被せ物は、確かに傷がつきやすく汚れやすいという欠点があります。プラスチックのお弁当箱を考えれば判るでしょう。
それに対してセラミックはトイレの便器にも使われていますが、傷がつきにくく汚れにくいというメリットがあります。しかし、高齢者にオールセラミックにするというのはどうでしょうか。言い方は悪いかもしれませんが、オールセラミックにした歯を、あと何年使うのでしょうか。高齢者にもオールセラミックを勧める歯医者さんは考えた方が良いでしょう。
もしかしたら、オールセラミックを勧められたあなたは、保険証の番号が001や003など若い番号なのではないでしょうか。今は歯科医も経営が大変な時代です。保険証の番号が若い番号だということは、社長さんや重役さんということなので、悪賢い歯科医は保険証もしっかりとチェックしているようです。装飾品をチェックする、と言う歯科医もいます。
オールセラミックでなければダメという訳ではなくても、お金を持っていそうな人には強く勧める、という歯科医もいます。歯医者さんに行く時は、高価な物は身に着けずに行った方が良さそうです。近くに歯医者さんは2軒あって、1軒はおじいちゃんの歯医者さんでもう1軒は30歳半ばくらいの若い歯医者さんだけど、どっちがいいのだろうか、といった類の疑問も時々聞きます。ベテランがいいのか、若手だと最新治療をして貰えそうだ、などと思う人も少なくないでしょう。
歯科医は、まさに職人技と言っても良いような所も多々あります。あまりに若すぎると、まだまだ熟練していないのではないかという不安要素にもなるでしょう。しかし、あまりにおじいちゃんもちょっと考え物です。歯は非常に小さいです。
その小さい歯を扱うのですから、ちょっと手が震えて手元が狂ったといったことが大きなミスに繋がります。また、眼精疲労も半端ではなくかなりつらいと言われています。加齢現象で目が悪くなって見えにくくなるのは、避けられません。そのため、60歳くらいが限度ではないかと考えられています。
今は、マイクロスコープと言って20倍に拡大できる顕微鏡を使って歯科治療を行うこともあります。マイクロスコープを使うことで歯科医の寿命も延びています。しかし、1回の治療時間は60分ほどかかるし高度なテクニックが要求されるので、これもまた高齢の歯科医には体力的にきつい場合もあります。2017年現在の普及率は5%ほどです。
歯科医として一番脂がのっているのは、35歳から45歳くらいでしょう。「あそこの歯科クリニックは、若くて可愛い歯科衛生士さんや歯科助手ばかりだよ」と聞けば、男性諸君はそこで治療を受けたいな、と思う人も少なくないでしょう。しかし、若いスタッフばかりの歯科医院や歯科クリニックは、あまりお勧めできません。なぜなら、歯医者さんは歯科医が優秀かどうかだけでなく、歯科衛生士が優秀かどうかも非常に大切です。
歯科衛生士が優秀だと、歯科医は治療だけに集中して専念できます。若いスタッフに教えながら治療しなければならないと言うのでは、治療に時間がかかるし、細かな作業の際には支障をきたすこともあるでしょう。また、入れ替わりが激しいために若い子ばかりになっているということも考えられます。院長先生が横暴だとか、性格が良くないというケースもありますが、中には違法行為をやらなければならないから嫌で辞めて行くというケースもあります。
本当は歯科衛生士がやってはいけないレントゲン撮影をさせられたり、歯科衛生士は歯を削ることは違法になるのにやらされたり、歯科助手なのに歯科衛生士としての仕事をやらされたり、というケースも時々あります。歯科医師以外のスタッフが5人いれば、1人か2人くらいはベテランさんがいてほしいものです。