変わりつつある近年の歯科事情

皆さんの歯科を選ぶポイントはどこでしょうか。クリニックの清潔さ、建物の新しさ、ホームページの充実さ…。近年、街中にある歯科は増え続け、「コンビニよりも多い」と揶揄されることもあります。そんな中、患者としてはどんなポイントを重要視すれば良いのでしょうか。

1,最新の設備を導入しているかどうか。これはただ新しい物好きということではありません。きちんとそのクリニックが新しい設備に投資をしてマジメな経営かどうかを判断するポイントになります。実は機械に投資をせず、車や不動産にお金を出しすぎてクリニックにお金をかけられず廃業していくパターンは少なくないのです。

出来れば自分のかかりつけ医は変えたくない、そんな方には是非機器を見ていただきたいです。2、手袋はこまめに変えているか?手袋をずっと同じものをしていたり、前の患者さんと同じままで自分のところに来る先生はいませんか?衛生的にも心配ですし、何よりとても無頓着な先生と言えます。小さな気配りが出来ているかも見極めるポイントでしょう。3、待合室のおもちゃ絵本やおもちゃがボロボロ、そんな状態の待合室を見たことがありませんか?治療スペースだけでなく、待合室にも気配り出来ているかでそのクリニックの中身が見えます。

どれも治療とは一見関係なさそうなポイントですが、是非チェックしてみましょう。先生のマジメさ、信頼度を見ることができます。歯科が廃業する理由で近年問題になっているのが「事業承継がうまくいかない」ということです。親の開業していた歯科を継ぐことになった子へ、きちんと承継が出来ないまま、ある日急に親が亡くなってしまい、準備もないまま患者さんは放置され、そして廃業へ…。

こんな例はそこかしこに転がっています。どうしたら上手く事業承継が成り立つのでしょうか。まずは、親が元気なうちから(若いうちから)子への承継を考えましょう。まだ自分は現役であるという時期から考え始めないと、ある日急にという事態にもなりえません。

子が一人前の歯科医となるまで、最低でも卒業から10年はかかるでしょう。専門医資格を取りに行っていたとしたら更に3~4年はプラスされることになります。それには親子のコミニュケーションが特に重要となってきます。仲違いし、事業承継が上手くいかず廃業となるケースも少なくないのです。

まずは親は誰に継がせたいのか、子は自分は継ぎたいのかをきちんと考え、大学を卒業するぐらいから将来設計をすることをオススメします。1から開業するには莫大な資金と、経営が成り立つ立地条件の元、物件を探さなければいけません。親の開業地を継ぐことには、今までの知名度もありながら、開業資金も不要となり、好条件で継ぐことができます。歯科が軌道に乗った時にこそ、事業承継について考える機会だと思うと良いかもしれません。

歯科業界も人員の採用は厳しいという事情があります。歯科でメンテナンスを担当してくれる歯科衛生士ですが、歯科衛生士がずっと同じ職場で働き続ける確率は5%以下と言われています。ベテランの歯科衛生士が在籍しているクリニックは、口コミなども評判の良い所が多い。それは、ドクターだけでなくスタッフも患者からすれば同じ立場として見るからです。

やはり優しくて手慣れた歯科衛生士がメンテナンスをしてくれれば、安心して身を委ねることができ、ここのクリニックを選んで良かったと思うことでしょう。オーナーは歯科衛生士にも研修参加を促し、学会発表をさせたりすることで歯科衛生士のプロフェッショナルを育てようとする動きが増えてきています。長期で在籍してくれる歯科衛生士を育てるということは、そのクリニック自体の評判にも繋がるからです。どの業界でも人手不足が問題となっていますが、歯科衛生士の場合、母数は多くても口コミで歯科の評判が広がり、採用はとても難しくなっています。

またクリニックの要求と歯科衛生士本人の希望がそぐわなければ、採用までもこぎつけません。今後はドクターだけでなくスタッフの人材育成がとても重要になるでしょう。患者さんからのクレームはどんな種類があるでしょうか?治療が荒い、帰ったら詰め物が取れてしまった、などなど様々なクレームがあると思います。ですが、クレームになるには必ず一つの共通した原因が存在するのです。

それは「コミニュケーション」です。ドクターと患者のコミニュケーション不足が原因でクレームになってしまうケースがほとんど。例を挙げると、患者は先生に痛みを訴えるが、先生としては大したことはないと判断する。それは今までの知識と経験から即座に判断できるものだったとしても、患者からすればそんな症状は自分は初めての経験なのです。

そんなとき、患者はどう思うでしょうか?「これだけ痛いと言っているのに、先生は少し診ただけですぐに大した事ないと言って、適当にあしらわれた。」と感じてしまうものなのです。皆さんにも経験はないでしょうか?このようなドクターと患者の意思疎通のミスマッチからクレームに発展していきます。1度のクレームだけではなく、信頼を失い、二度とその患者は診察に来なくなる可能性もあります。

ドクターはどんなに簡単な治療で済み、大したことないと思うような症状だったとしても患者にはあくまでも真摯に向き合い、話を聞いてあげることから始めましょう。多少時間がかかっても、それは必ず患者さんの信頼に繋がり、クリニックのためにもなります。話を聞くことが患者ファーストの一番ではないでしょうか?子供には歯科を嫌う子が多く、治療室から聞こえてくる泣き声もしばしば…。そんな時に待合室で流れているBGMに耳を澄ましたことはありますか?何がかかっているのかあまり気に留めることはないかもしれませんが、実はオルゴール曲を流している歯科が多いのです。

歯科用のオルゴールCDも発売されているほど、多用されています。ではどうしてオルゴール曲なのでしょうか?オルゴール曲には脳をリラックスさせる働きがあり、眠りに誘う効果があります。治療中の不快な音や、治療前の不安感を軽減するよう、ダイレクトに脳幹という場所へ働きかける作用があるのです。治療中の削るキュイーンという音に不安を覚える子は多いでしょう。

(大人でもあの音を思い出すだけでイヤという人が大半ではないでしょうか。)匂いだけでも思い出してしまい泣いてしまったりもしますよね。オルゴールの音色は聴いているだけで心身を癒し、その音色は全身を包み込むと言われているほど。クリニックでもアニメのオルゴールバージョンが流れていたりします。

まずお子さんを歯科へ連れていく際には、事前にオルゴール曲を聞かせ、リラックスさせてから通院すると嫌がらずに連れていくことができるかもしれません。近頃では矯正歯科は一種のステイタスになるほど、子供から大人まで矯正をする人が増加しています。矯正には短くて2年、長くて4年ほどかかり、終了した後にもメンテナンスで通わなければいけません。では、治療途中にもしこのクリニックがなくなったらどうしたらいいのだろうと不安になる方もいるのではないでしょうか?治療はそのまま止まってしまうの?治療費用は返ってくるのだろうか?まず、矯正を始めることになったら検査を受けにどこかの矯正歯科に行きますが、その際にドクターに必ず質問をしてください。

「病院都合で矯正が途中で終わるようなことがある場合はどのような対応をしてくださいますか?」多くのドクターは、何か事情があり治療の継続ができなくなった場合の賠償責任保険に加入しています。治療費用についてはそこから支払いがあるのでおおよそ大丈夫でしょう。しかし、心配ですので必ず質問するようにしてください。更に、治療が途中になるかもしれないという心配に関しては、代わりのドクターに引き継がれるようになっているのかも確認することをオススメします。

その矯正歯科のドクターが1人の場合、別のクリニックに転院せざるを得ません。必ず、そのような約束をしているドクターがいるのかどうかを確認しましょう。金額も大きく長い月日をかけるので、安心して矯正治療を受けられるよう下準備をしましょう。

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